セグロアシナガバチの生態と軒下に巣を作る理由|見分け方・駆除の注意点

セグロアシナガバチの生態と軒下に巣を作る理由|見分け方・駆除の注意点

ベランダの軒下に、シャワーの吹き出し口のような形の巣がぶら下がっている。長い後ろ脚を垂らして飛ぶハチが、窓のまわりを行き来している。こうした場面でよく見られるのがセグロアシナガバチです。

国内のアシナガバチの中では最大級の種類で、住宅の軒下などに巣を作ります。一方で、庭木の毛虫やイモムシを狩る益虫としての面も持っています。

本記事では、セグロアシナガバチの生態を客観的に解説します。

目次

セグロアシナガバチとは?大きさ・見た目の基本情報

項目内容
名称セグロアシナガバチ
学名Polistes jokahamae
分類昆虫綱 ハチ目 スズメバチ科
体長21〜26mm(女王24mm前後、働きバチ16〜22mm)
見た目体は黒色で、黄褐色の斑紋がある。背中の後ろ側(前伸腹節)が黒い
巣の大きさ初期は7cm程度、秋には直径20cm程度
巣にいる数数十〜百匹ほど

長い後ろ脚を垂らして飛ぶのが、アシナガバチの仲間に共通する特徴です。

セグロアシナガバチの生態|巣・食性・1年の暮らし

巣:外側を覆う壁がない

家屋の軒下、石垣、草木の茎や枝、人家のすき間などに巣を作ります。スズメバチの巣と違い、外側を覆う壁がなく、幼虫を育てる部屋の穴がむき出しになっています。ハスの花を下に向けたような形や、シャワーヘッド、お椀を逆さにしたような形に見えます。

食性:毛虫やイモムシを狩る

主にチョウやガの幼虫を狩り、肉団子にして幼虫のエサにします。ヤブガラシなどの花の蜜も吸います。庭木や農作物につく毛虫やイモムシを狩るため、益虫とされることもあります。

1年の暮らし

時期巣の様子
4月ごろ冬を越した女王が巣作りを始める
7〜8月巣にいるハチの数がピークになる
8月中旬以降新しい女王とオスが生まれて巣を離れ、窓際などに集まることがある
10月〜冬オスや働きバチは死に、新女王だけが屋根裏などで冬を越す。古い巣は再利用されない

セグロアシナガバチが家に巣を作る理由

雨の当たりにくい軒下やベランダの天井、窓や出窓の下、階段の下、ひさし、エアコンの室外機、ガスメーターのまわり、低木などが巣作りに使われます。新女王が屋根裏などで冬を越すことも、住宅のまわりで見かけやすい理由の一つです。

セグロアシナガバチによる被害・影響

アシナガバチの仲間は、一般にスズメバチより攻撃性が弱いとされています。ただし、セグロアシナガバチは巣を刺激すると働きバチがいっせいに飛び立って攻撃し、数mの距離まで追いかけてくることがあるとされています。晩夏から秋には巣が大きくなり、攻撃性も増します。

刺されると痛みと腫れが出て、普通は数日で治ります。ただし、ハチ毒にアレルギーのある人は全身に症状が出ることがあり、何か所も刺されると命にかかわることもあります。吐き気、発熱、息苦しさなどが出たら医療機関を受診してください。

セグロアシナガバチがいるサイン

サイン見られる場所・特徴
穴がむき出しの巣軒下、ベランダの天井、窓の上、室外機の裏
脚を垂らして飛ぶハチ巣のまわりを行き来する
秋に窓際に集まるハチ巣を離れた新女王やオス

セグロアシナガバチの対策と予防

自治体の資料では、生活に支障のない場所の巣はそのままにすることも勧められています。駆除する場合は、次の点に注意するよう案内されています。

  • ハチの活動が鈍る朝方・夕方・夜間に行う
  • 風上から、3〜5m届くハチ専用のジェット式殺虫剤を使う
  • 懐中電灯で巣を直接照らさない
  • 香水や整髪料、黒っぽい服を避け、長袖・長ズボン・帽子を着用する
  • はしごや台に乗って作業したり、棒でつついたりたたき落としたりしない
  • 巣を取った後は、戻ってくるハチに備えて巣の跡に殺虫剤をかけておく

高い場所や大きな巣、不安がある場合は、無理をせず専門業者に相談してください。

セグロアシナガバチの豆知識

オスは刺さない

ハチの針は産卵管が変化したものなので、オスには針がなく刺しません。秋に窓際に集まるハチの中にはオスも混じっています。

セグロアシナガバチの生存戦略

毎年新しい巣を作り、秋に生まれた新女王だけが冬を越して次の年の巣を作ります。人家の軒下など、雨風をしのげる場所を巣作りに利用しています。

生態系での役割

チョウやガの幼虫を狩ることで、庭木や農作物につく毛虫やイモムシの数を抑える役割を持っています。

建物診断の視点

軒下やベランダの天井、室外機のまわりなど、雨の当たりにくい場所は毎年巣を作られやすい場所です。春先の巣作りが始まる時期に見回ると、小さいうちに気づくことができます。

セグロアシナガバチの危険度評価

※地域・環境により変動する相対的な目安です。

項目評価
人との接触★★★★★(軒下・ベランダなど身近な場所に巣を作る)
攻撃性★★★☆☆(スズメバチより弱いが、巣を刺激すると攻撃的)
巣の規模★★☆☆☆(数十〜百匹ほど)
益虫としての面★★★★☆(毛虫・イモムシを狩る)
駆除難易度★★☆☆☆(小さな巣は自治体も自力駆除の方法を案内)

キアシナガバチ・フタモンアシナガバチとの見分け方

種類見分けるポイント
セグロアシナガバチ背中の後ろ側(前伸腹節)全体が黒い。体長21〜26mm
キアシナガバチ背中に黄色い縦すじが1対ある。セグロと並ぶ大型種
フタモンアシナガバチ腹部の第2節に丸い黄色の斑紋が2つ。体長14〜18mmと小さい

姫路市とその周辺にお住まいの方へ

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政綱 純
バグディフェンス代表。政綱 純(まさつな まこと)。姫路市を拠点に、害虫・害獣の駆除と予防施工を行っています。不動産業界で7年間、賃貸・売買・管理・リフォーム・空き家再生に携わり、建物の構造や入退去検査・原状回復の現場を見てきました。宅地建物取引士・2級FP技能士。認定NPO法人 空き家相談センター 相談員。駆除で終わらせず、侵入経路と再発防止まで建物の側から考えることを大切にしています。
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