秋になると、日の当たる壁や南向きの窓にカメムシが集まりはじめます。これは偶然ではなく、冬を越す場所を探して建物に寄ってくる時期だからです。屋外で生活していた個体が、気温の低下に合わせて晴れた日を選んで一斉に移動するため、ある日を境に急に数が増えたように見えます。侵入のきっかけになるのは、9月下旬から10月にかけての気温低下であることが多いとされます。
家のまわりで見かけるカメムシは何種類もいますが、住まいで問題になるのは主に三種です。大きさと色、そして臭いの強さが種類によってはっきり違うため、見分けること自体は難しくありません。
住まいで見かける三種を比べる
| クサギカメムシ | ツヤアオカメムシ | マルカメムシ | |
|---|---|---|---|
| 体長 | 16〜20mm | 12〜16mm | 8〜10mm |
| 色と形 | 茶褐色 | 光沢のある緑色 | 黒褐色で丸い |
| 臭い | 強い | 弱い | ほぼない |
| 屋内への侵入 | 大量侵入の主体 | クサギカメムシより少ない | 侵入することもある |
| 寿命 | いずれも卵から成虫まで約2か月、成虫の寿命は約1年(越冬期間を含む) | ||
大きさの順に並べると、クサギカメムシ、ツヤアオカメムシ、マルカメムシになります。室内で見つけたものが茶褐色で二センチ近ければクサギカメムシ、光沢のある緑色で一回り小さければツヤアオカメムシ、一センチに満たない黒っぽい丸い虫ならマルカメムシです。
クサギカメムシ|家の中まで入ってくるのはこれ
屋内への大量侵入の主体はクサギカメムシです。体長16〜20mmと三種のなかで最も大きく、茶褐色で、臭いも強いのがこの種です。
秋から初冬にかけて気温が下がると、屋外で生活していた個体が暖かい建物の中を越冬場所として探しはじめます。このとき晴れた日を選んで一斉に移動する習性があるため、一匹ずつ入ってくるのではなく、まとまって押し寄せる形になります。秋の日当たりの良い壁や窓に集まる習性があるので、南向きの窓や壁面での目撃が増えます。
侵入経路は窓や網戸の隙間、換気扇や通気口、建物のわずかな隙間と多岐にわたります。厄介なのは、いったん入り込むとそのまま越冬し、暖房で室内が暖かくなると活動を再開することです。真冬に部屋へ出てくるカメムシは、たいてい秋のうちに入り込んでいた個体です。
ツヤアオカメムシ|光沢のある緑色で、臭いは弱い
体長12〜16mmで、光沢のある緑色をしています。クサギカメムシより一回り小さく、家屋への侵入はクサギカメムシより少なく、臭いも弱いとされます。夜間の灯りを頼りに屋内へ迷い込むことがあり、照明や白い物に集まる性質があります。
屋外ではナシやカキ、ウメといった果樹や、豆類・野菜を食害します。庭に果樹がある家や、家庭菜園が近い場合に見かける頻度が上がります。
マルカメムシ|小さくて丸い、臭いのほぼない種
体長8〜10mmで、黒褐色の丸い形が特徴です。三種のなかでは最も小さく、臭いもほぼありません。屋内に侵入することもありますが、大量侵入の主体にはなりません。屋内での問題は、臭いよりも見た目の不快感のほうが主になります。
食べているのはマメ科の植物で、ダイズやエンドウなどの豆類に吸汁して生育を妨げるため、家庭菜園での被害が報告されています。つまり発生源が敷地の外や庭にあることが多く、家の側でいくら対策しても数が減らない場合は、周囲の植物の状況を見る必要があります。
入られてからではなく、入る前に決まる
カメムシ対策が他の虫と違うのは、効く時期がはっきり決まっているところです。越冬のために移動してくるのは気温が下がりはじめる時期で、9月下旬から10月の冷え込みが引き金になります。この時期に建物の外側で寄せつけないようにするのがもっとも効率がよく、いったん壁の中や天井裏に入られると、そこから追い出すのは難しくなります。春まで断続的に室内へ出てくることになります。
見るべき場所は、日当たりのよい南向きの壁面と窓、網戸とサッシの隙間、換気扇と通気口です。カメムシは飛んできて壁に着地し、そこから隙間を探して歩いて入ります。着地する面と、そこから続く隙間の両方が経路になるため、この二つを押さえるのが共通する対処になります。
室内で見つけたときに潰すのは避けてください。クサギカメムシのように臭いの強い種では、においが部屋に残るうえ、衣類や寝具に付くと落としにくくなります。掃除機で吸うか、紙などですくって外へ出すほうが結果的に静かに済みます。
まとめ
住まいで問題になるカメムシは、大量侵入の主体であるクサギカメムシ(16〜20mm・茶褐色・臭いが強い)、光沢のある緑色のツヤアオカメムシ(12〜16mm・臭いは弱い)、小さくて丸いマルカメムシ(8〜10mm・臭いはほぼない)の三種です。いずれも秋の気温低下を合図に越冬場所を探して建物へ寄ってくるため、9月下旬から10月にかけて南向きの壁面と開口部を押さえられるかどうかで、冬から春にかけて室内で遭遇する回数が変わります。
