ネズミ駆除の助成金・補助金はある?自治体の貸し出し・無料配布・無料訪問の一覧【2026年】

ネズミ駆除の助成金はある?市役所・保健所に頼めること

天井裏の足音や台所の糞でネズミに気づいたとき、「市役所に言えば駆除してもらえるのでは」「助成金で安くならないか」と考える人は多いと思います。結論から言うと、個人の家のネズミ駆除費用をそのまま補助してくれる自治体は、2026年10月時点で私たちが公式ページを確認した30以上の自治体では見つかりませんでした。

ただし、何もないわけではありません。捕獲かごの貸し出し、殺鼠剤や粘着シートの無料配布、専門業者による無料の訪問・助言、町会や管理組合向けの補助など、自治体によって使える支援はあります。この記事では、公式ページで確認できた制度を「貸し出し」「配布」「無料訪問」「補助」の4つに分けて一覧にし、市役所・保健所に頼めること・頼めないことを解説します。

この記事でわかること
  • 個人宅のネズミ駆除に助成金はあるのか
  • 捕獲かごの貸し出し・殺鼠剤の配布をしている自治体
  • 専門業者が無料で来てくれる自治体
  • 団体・管理組合向けの補助制度
  • 市役所・保健所に頼めること、頼めないこと
目次

結論:個人宅の駆除費用を助成する制度はほぼない

東京23区や政令市、地方の市の公式ページを調べると、ネズミ対策の支援はあっても、中身は「道具の貸し出し・配布」「相談・助言」「団体向けの補助」が中心でした。個人が業者に払った駆除費用を補助する制度は確認できませんでした。千代田区のように、補助の対象から「駆除費・消毒費」をはっきり外している制度もあります。

はっきり「助成はない」と書いている自治体も少なくありません。

自治体公式ページの記載
東京都日野市「ねずみ駆除の助成金はありません」
東京都練馬区駆除費用の助成は「おこなっていません」(過去にあった防そ工事の補助は廃止)
横浜市(港北区)駆除料金は全額自己負担
埼玉県越谷市駆除・費用の補助・殺そ剤の配布はいずれも行っていない
京都府駆除は個別に業者に依頼し、費用は自己負担
さいたま市業者の紹介は協会が無料で行うが、駆除費用は自己負担
各自治体の公式ページより(2026年10月確認)

「助成金」で検索して見つかる情報には、蜂の巣駆除やシロアリ、空き家対策など、別の制度が混ざっていることもあります。ネズミが対象かどうかは、お住まいの自治体の公式ページで必ず確認してください。

街路の植え込みの土にあいたネズミの巣穴

支援の種類1:捕獲かご・捕獲器の貸し出し

いちばん多い支援が、捕獲かごの無料貸し出しです。かごは主にドブネズミに向いた道具で、警戒心の強いクマネズミには粘着シートのほうが効果的とされています(東京都保健医療局)。

自治体内容
横浜市各区の福祉保健センターで捕獲かごを貸し出し。港北区は無料・30日以内、電子申請のあと窓口で受け取り
川崎市ネズミ捕りのかごなどを貸し出し(殺鼠剤の配布は平成24年度で終了)
東京都北区保健所で捕獲器を貸し出し
東京都荒川区バネ式・かご式のトラップを貸し出し
東京都葛飾区捕獲かごの貸し出し(殺鼠剤の配布も)
大阪市各区の保健福祉センターで捕そカゴを貸し出し(中央区・東成区・旭区・住吉区などで確認。住吉区は無料と明記)
那覇市ネズミの捕獲器と超音波撃退器を貸し出し。担当者が現場を調べて助言
各自治体の公式ページより(2026年10月確認)
保健所の窓口に並んだネズミの捕獲かごと粘着シート

支援の種類2:殺鼠剤・粘着シートの無料配布

殺鼠剤や粘着シートを無料で配っている自治体もあります。配布は冬に集中しています。気温が高い時期に殺鼠剤を使うと、死骸が腐りやすく、においや虫の発生につながるためです(大阪市・江東区など)。

自治体内容
東京都千代田区保健所で殺鼠剤と粘着シートを配布
東京都渋谷区窓口で殺鼠剤(11〜3月)と粘着シートを配布
東京都江東区相談した人に、必要に応じて殺鼠剤を配布
東京都練馬区窓口で殺そ剤(11〜4月)と粘着板の見本を配布。冬に町会を通じて配布
東京都荒川区12月の一斉駆除月間に町会を通じて殺鼠剤を配布
東京都墨田区・葛飾区殺鼠剤を配布
東京都武蔵野市窓口で粘着シートを2枚程度配布
千葉県船橋市保健所や各出張所などで殺鼠剤を配布
静岡県富士市町内会向けに駆除剤を配布(10月中旬までに申し込み、11月中旬以降に配布)
大阪府岸和田市希望者に駆除薬を無料配布(1月中旬〜2月下旬。期間外も相談があれば配布)
各自治体の公式ページ・広報誌より(2026年10月確認)

練馬区は、配布している殺そ剤や粘着板には侵入を防ぐ効果はなく、補助的な手段だとしています。配られた薬だけで終わらせず、侵入口をふさぐ対策とあわせて使いましょう。殺鼠剤の選び方は「ネズミ駆除剤(殺鼠剤)のおすすめと選び方」で解説しています。

支援の種類3:専門業者の無料訪問・助言

東京の区を中心に、専門業者が無料で家に来て、侵入口の探し方やふさぎ方を教えてくれる制度もあります。駆除作業そのものはしないのが一般的ですが、どこから入っているかを知るだけでも、その後の対策や見積もりの比較に役立ちます。

自治体内容主な条件
東京都大田区専門業者が侵入口の探し方・ふさぎ方を助言(封鎖は本人)一般家屋。事業所・賃貸は対象外。年度1回。火・木曜に電話予約
東京都世田谷区住居の侵入口チェック予約制・無料。店舗・空き家は対象外
東京都文京区専門業者による防除訪問診断区内の民家または自室。事業所は対象外
東京都新宿区専門業者を派遣して調査・助言屋外でドブネズミ被害が続く敷地の管理者
東京都品川区専門業者の派遣と、毒餌・粘着シートなどの配布町会などの代表者の申請。予算の上限に達したら終了
東京都武蔵野市専門業者の指導と簡易な侵入防止対策を無料で実施市民税非課税世帯または生活保護世帯で、65歳以上の高齢者のみの世帯
各自治体の公式ページより(2026年10月確認)
古い住宅が建ち並ぶ細い私道と側溝

支援の種類4:団体・管理組合向けの補助

お金の補助がある制度は、ほとんどが町会・商店街・マンションの管理組合などの団体向けか、巣穴やごみ置き場など環境を改善する工事が対象です。ネズミは1軒だけ駆除しても、隣や路地から入り直してくるため、地域全体で対策する取り組みに補助が出ていると考えられます。

自治体制度対象補助の内容
東京都中央区地域ねずみ防除促進事業町会・自治会・商店街などの団体防除費用の3分の2。上限は構成員数で20万〜100万円。委員会を置かない場合は2分の1・1回限り
東京都千代田区路地等のねずみ巣穴対策助成区内の私有地の路地(住宅・事業所とも可)巣穴をふさぐ工事費の4分の3、上限10万円。駆除費・消毒費は対象外。契約前に申請
東京都千代田区マンションのねずみ対策助成管理組合・賃貸マンションの所有者などふた付きごみ箱の購入やごみ集積所の修繕。実費か30万円の低いほう、1マンション1回
新潟県燕市薬剤購入補助金(参考)自治会衛生害虫用の薬剤の購入費の2分の1、年50万円まで(ネズミが対象とは明記なし)
各自治体の公式ページより(2026年10月確認)
ふた付きのごみ箱と金網の囲いを新しく設けた集合住宅のごみ置き場

マンションにお住まいなら管理組合に、町内の路地や商店街の被害なら町会に、こうした制度があることを伝えてみるのも一つの方法です。いずれも申請前に工事や契約をすると対象外になることがあるので、先に自治体に相談してください。

主な都市の対応早見表

この記事と地域別の記事で確認した、主な都市の対応をまとめました。お住まいの地域の詳しい窓口と業者は、表のリンク先で紹介しています。同じ都市でも区によって支援が違うことがあるので、最終的には区役所・保健所に確認してください。

都市駆除助成貸し出し・配布・訪問詳しい記事
横浜市しないなし(全額自己負担)各区で捕獲かごを無料で貸し出し横浜市
相模原市しない確認できず確認できず(神奈川県PCO協会を紹介)相模原市
東京23区しない団体向け・工事費の補助のみ(千代田区・中央区)区により配布・貸し出し・無料訪問東京
練馬区しないなし(過去の補助は廃止)殺そ剤・粘着板の見本配布練馬区
大田区しない確認できず専門業者の無料派遣(助言)大田区
さいたま市・川口市・越谷市しない確認できず(越谷市はなしと明記)確認できず(埼玉県PCO協会が無料紹介)埼玉
大阪市しない確認できず各区で捕そカゴを貸し出し(薬剤配布は廃止)大阪
京都市しないなし(府も自己負担と明記)確認できず(医療衛生センターで相談)京都
札幌市しない確認できず確認できず(業者の指定もしない)札幌
那覇市しない確認できず捕獲器・超音波撃退器の貸し出し、現場での助言沖縄
各市区の公式ページより(2026年10月確認)

市役所・保健所はネズミを駆除してくれる?

個人の家や店舗のネズミを、市役所や保健所の職員が駆除しに来てくれることは、基本的にありません。東京都の多摩立川保健所は「防除や駆除作業は実施しておりません」と案内し、島しょ保健所も職員が家庭に伺って駆除することはできないとしています。川崎市、船橋市、日野市、相模原市、大阪市、札幌市、京都市なども、駆除は土地・建物の所有者や管理者が行うものとしています。

頼めること頼めないこと
ネズミの習性や対策の相談家や店舗の駆除作業
糞や写真からの種類の見分け(同定)駆除費用の立て替え・補助(ほとんどの自治体)
捕獲かごの貸し出し・薬剤の配布(自治体による)特定の業者の指定・保証
業者を探す窓口(ペストコントロール協会など)の案内賃貸住宅の大家・管理会社との調整

業者を探すときは、多くの自治体が都道府県のペストコントロール協会を案内しています。札幌市は市が業者を指定することはないとしていて、「市の指定業者」と名乗る業者には注意が必要です。

道路や公園のネズミは自治体の担当になることも

私有地ではなく、区道の植え込みや下水道のマンホールなど公共の場所のネズミは、自治体が対応している例があります。東京都中央区は、公共の場所で殺鼠剤やわなによる駆除を行っていると案内しています。家の前の道路や公園でネズミをよく見かける場合は、その場所の管理者に伝えてみてください。

助成が使えないときの費用の抑え方

助成がなくても、出費を抑える方法はあります。総額を大きく左右するのは、補助の有無よりも見積もりの中身です。

  1. まず自治体の支援を使う:かごの貸し出しや薬剤の配布、無料訪問があれば試してみる
  2. 種類と侵入口を知る:自治体の助言や業者の無料調査で、どこから入っているかを確かめる
  3. 2〜3社の見積もりを比べる:封鎖の箇所数、清掃・消毒、訪問回数、保証を同じ条件で並べる
  4. 「◯◯円〜」だけで決めない:国民生活センターは「一軒家約5,000円〜」の表示で約13万円を請求された例を紹介している
  5. 賃貸なら管理会社に連絡:建物の所有者・管理者が費用を負担するケースもある
台所のテーブルでスマートフォンを持ち、2枚の見積書を見比べる手元

費用の目安は「ネズミ駆除の費用相場」、業者を比べるときの見方は「ネズミ駆除業者の選び方と費用相場」で詳しく解説しています。

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自分で対策するなら:家ネズミは許可なく捕まえてよい

野生の鳥獣は、鳥獣保護管理法により許可なく捕まえることが原則として禁止されています。ただし、家に住みつくドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミの3種(家ネズミ)は、この法律の対象外です(環境省)。自治体で借りたかごや、市販の粘着シート・捕獲器を自分で使っても問題ありません。田畑や山にいるアカネズミなど、家ネズミ以外のネズミは法律の対象になるため注意してください。

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置き方や侵入口のふさぎ方は「ネズミ駆除を自分でする方法」で手順を追って解説しています。

ネズミ駆除の助成金でよくある質問

個人の家のネズミ駆除に助成金は出ますか?

確認した範囲では、個人が業者に払った駆除費用を補助する自治体はありませんでした。かごの貸し出しや薬剤の配布、専門業者の無料訪問など、費用以外の支援が中心です。

市役所に電話すれば駆除に来てもらえますか?

基本的に来てもらえません。多くの自治体は、駆除は土地・建物の所有者や管理者が行うものとし、相談や道具の貸し出し、業者を探す窓口の案内をしています。

火災保険でネズミ駆除の費用は出ますか?

補償されるかどうかは保険の契約内容によって異なります。この記事では保険の補償範囲までは確認していないので、加入している保険会社に問い合わせてください。

賃貸住宅の場合、駆除費用はだれが払いますか?

自治体は、駆除は建物の所有者・管理者が行うものとしています。まず管理会社か大家さんに連絡し、費用の負担を確認してから業者を呼ぶと安心です。

自治体の支援はどこで調べればいいですか?

お住まいの市区町村の保健所・生活衛生課のページか、電話で確認してください。年度ごとに内容や受付状況が変わるため、この記事の一覧も申し込み前に最新情報を確かめてください。

まとめ|助成より「自治体の支援」と「見積もりの中身」を確認する

個人の家のネズミ駆除費用を補助する制度は、調べた範囲では見つかりませんでした。その代わり、捕獲かごの貸し出し、殺鼠剤や粘着シートの配布、専門業者の無料訪問、団体向けの補助など、自治体ごとに使える支援があります。まずはお住まいの自治体の窓口に問い合わせてみてください。

自分での対策で減らない、天井裏や壁の中にいて手が届かないという場合は、業者に相談する段階です。そのときは補助の有無ではなく、侵入口の封鎖と清掃まで含めた総額で2〜3社を比べましょう。地域ごとの窓口と業者は、東京・横浜市・大阪などの地域別記事でまとめています。

参考にした資料

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政綱 純
バグディフェンス代表。政綱 純(まさつな まこと)。姫路市を拠点に、害虫・害獣の駆除と予防施工を行っています。不動産業界で7年間、賃貸・売買・管理・リフォーム・空き家再生に携わり、建物の構造や入退去検査・原状回復の現場を見てきました。宅地建物取引士・2級FP技能士。認定NPO法人 空き家相談センター 相談員。駆除で終わらせず、侵入経路と再発防止まで建物の側から考えることを大切にしています。
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