夜に台所の電気をつけたら、何匹ものゴキブリが散っていった。小さい幼虫も毎日のように見かける。ゴキブリが大量発生したときは、慌てて殺虫スプレーをまき続けるより、順番を決めて数を減らすほうが早く片づきます。
先に結論を書くと、大量発生の原因は、餌と水と暖かい隠れ場所がそろっていることです。くん煙剤で隠れている個体をまとめて減らし、掃除をしてから潜み場所に毒餌を多めに置き、2〜3週間後にもう一度くん煙剤を使う。そのうえで、餌と水とすき間を減らします。この記事では、自治体やメーカーの情報をもとに、その手順をまとめます。
大量発生の原因は「餌・水・暖かさ・すき間」
堺市は、ゴキブリが好んですみつくのは暖かく湿気があり、狭くて暗いところだとしています。暖房設備の整った建物はゴキブリがすみつきやすく、季節に関係なく発生するとのことです。埼玉県衛生研究所も、ゴキブリはガス台のまわりや冷蔵庫・食器戸棚の裏など、餌、水、温度の条件がそろう場所に群れで暮らしていると説明しています。
札幌市は、台所などの水滴がゴキブリの飲み水になると注意しています。食べこぼしや生ごみ、シンクの水滴、冷蔵庫まわりの暖かさがそろうと、ゴキブリが増えやすい環境になります。
私たちが大量発生を見てきた現場は、飲食店の厨房です。一方で、空室や空き店舗の期間が長い物件では、餌と水がないため、ゴキブリは生き残れません。空き店舗を居抜きで引き継いだ姫路市飾磨区の飲食店の施工事例でも、外から入ったとみられるクロゴキブリを数匹確認しただけで、店内で大きく繁殖している状況は見られませんでした。大量発生は、人が暮らし、調理をしている場所で起きるものだと考えてください。
大量発生したときの駆除の順番
1. 粘着シートで、多い場所を絞る
日本ペストコントロール協会は、粘着シートによる捕獲は駆除としてはあまり効果的ではないものの、出没場所や生息数の確認には有効だとしています。台所、洗面所、冷蔵庫の横などに置いて、どこで多くかかるかを見ておくと、あとで毒餌を置く場所が決めやすくなります。
2. くん煙剤を全部屋同時に使う
数が多いときは、部屋のすみずみまで薬剤が行きわたるくん煙剤・くん蒸剤が向いています。アース製薬は、ゴキブリはわずかなすき間を通って他の部屋に逃げるため、各部屋で同じタイミングに使うようすすめています。使う前には、食品を冷蔵庫や戸棚にしまい、ペットや植物を外に出し、煙を感知するタイプの火災報知器にはカバーをかけるなどの準備が必要です。
3. 掃除をしてから、潜み場所に毒餌を多めに置く
くん煙剤のあとは、換気をして死骸を掃除機で取り除きます。そのうえで、台所の隅、流し台の下、冷蔵庫の下など、ゴキブリが好む物陰に毒餌を置きます。アース製薬は、幼虫は巣に隠れてあまり出歩かないため、できるだけたくさん置いて出会う機会を増やすのが効果的だと説明しています。設置した毒餌やその周りには、スプレー等の薬剤をかけないでください。
4. 2〜3週間後に、もう一度くん煙剤を使う
アース製薬によると、ゴキブリの卵は硬い殻(卵鞘)に守られていて薬剤をはじくため、卵がかえる2〜3週間後にもう一度使うのがおすすめです。大量発生しているときは卵も多く残っているので、1回で終わらせないことが大切です。
なお、見かけるのが体長1.5cmほどの小さく茶色いゴキブリばかりなら、薬剤抵抗性を持つことがあるチャバネゴキブリの可能性があります。くわしくはチャバネゴキブリの駆除方法をご覧ください。
大量発生のときに使う市販品
表記はいずれも各メーカーの公式ページで確認したものです(2026年10月時点)。市販品全体の選び方は市販で最強のゴキブリ駆除剤は?でまとめています。
アースレッド プロα(アース製薬)
- 有効成分:d・d-T-シフェノトリン5.0%、メトキサジアゾン7.0%、プロポクスル2.0%(第2類医薬品)
- メーカー表記:アースレッドシリーズの中で効きめ最強タイプ。抵抗性チャバネゴキブリ、クロゴキブリに高い効果。全部屋同時使用がおすすめ
- 注意:水を使うタイプで、セット後は2時間以上閉め切る。火災報知器にはカバーが必要
バルサンプロEX ノンスモーク霧タイプ(レック)
- 有効成分:メトキサジアゾン、フェノトリン、d・d-T-シフェノトリン(第2類医薬品)
- メーカー表記:霧状で煙も熱も出さないため、火災警報器に反応しない(ガス警報器は反応することがある)
- 注意:ガス湯沸器などの種火は消す。霧が出始めたら1時間以上閉め切る
ブラックキャップ(アース製薬)
- 有効成分:フィプロニル0.05%(防除用医薬部外品)
- メーカー表記:置いたその日から効き、効果は約1年。巣ごと退治。10㎡(約6畳)あたり1〜2個
- くん煙剤のあと、掃除を終えてから潜み場所に置く
ごきぶりホイホイ+(アース製薬)
- 薬剤を使っていない粘着式の捕獲器。多い場所を絞るのと、減っているかの確認に使う
- メーカー表記:足ふきマット、デコボコ粘着シート、耐水性ハウスで、水のある場所にも置ける
再発させないために
数が減っても、餌と水と隠れ場所が残っていれば、また増えます。アース製薬は、食品や汚れた食器を夜まで放置しないこと、冷蔵庫の裏やコンロの下などの物陰を掃除すること、生ごみや排水口の汚れをすぐに処分することを日ごろの対策に挙げています。
日本ペストコントロール協会は、台所の流し台やレンジまわりのすき間をアルミテープや防水パテでふさぐこと、浴室や流し台の排水口におわん型トラップがなければ設置すること、夜間の不要な灯火を消して窓の開放を控えることをすすめています。外から入ってくるゴキブリを減らすことも、再発防止の一部です。
賃貸住宅・飲食店の場合
賃貸住宅で大量発生している場合、国民生活センターは、事業者へ依頼する前に管理会社や大家に相談するのも一つの方法だとしています。集合住宅では、ほかの部屋や共用部とのつながりも考える必要があるためです。
飲食店の厨房で発生している場合は、営業や衛生管理への影響が大きくなります。記録のとり方や衛生管理の考え方は飲食店でゴキブリを見つけたらでまとめています。
業者に頼む目安
くん煙剤を2回使い、毒餌も置いたのに減らない。機械の中など手の届かない場所で増えている。こうした場合は、駆除業者に相談してください。業者の選び方と料金の目安はゴキブリ駆除業者の選び方と費用相場、施工後もゴキブリが出るときの見方はゴキブリ駆除業者に頼んだのに効果なし?で解説しています。
慌てて業者を探すときは、料金トラブルにも注意が必要です。国民生活センターは、広告の格安料金を見て依頼したら作業後に高額な料金を請求されたという相談事例を公表し、複数社から見積もりを取ること、納得できない請求はその場で支払わないことを呼びかけています。
よくある質問
- ゴキブリはどんな場所で増えますか?
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堺市は、ゴキブリは暖かく湿気があり、狭くて暗いところを好み、暖房設備の整った建物では季節に関係なく発生すると案内しています。埼玉県衛生研究所も、ガス台のまわりや冷蔵庫・食器戸棚の裏など、餌・水・温度の条件がそろう場所に群れでいると説明しています。
- くん煙剤を使うとき、ほかの部屋はどうすればいいですか?
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アース製薬は、ゴキブリはわずかなすき間を通って他の部屋に逃げるため、各部屋で同じタイミングに使うようすすめています。
- 賃貸で大量発生したら、誰に相談すればいいですか?
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国民生活センターは、賃貸住宅なら事業者に依頼する前に管理会社や大家に相談するのも一つの方法だとしています。
まとめ
ゴキブリの大量発生は、餌と水と暖かい隠れ場所がそろった場所で起きます。粘着シートで多い場所を絞り、くん煙剤を全部屋同時に使い、掃除をしてから潜み場所に毒餌を多めに置く。2〜3週間後にもう一度くん煙剤を使い、食べ残しや水滴、すき間を減らして再発を防ぐ。この順番で進めても減らなければ、業者に相談してください。
卵を見つけたときの対処はゴキブリの卵を見つけたら、幼虫や抜け殻についてはゴキブリの幼虫・抜け殻を見つけたらをご覧ください。
