戸棚の隅や引き出しの裏に、小さくて硬い袋のようなものが貼りついていた。もしかしてゴキブリの卵では、と不安になりますよね。この記事では、ゴキブリの卵の見分け方と、見つけたときにすることを、自治体などの公的な資料をもとにまとめました。
先に結論を書くと、ゴキブリの卵は「卵鞘(らんしょう)」という硬いケースに入っていて、殺虫剤をかけても中の卵には効かないとされています。見つけた卵鞘は取り除き、そのうえで、あとから生まれてくる幼虫に効く対策(毒エサや、時間をおいたくん煙剤)を組み合わせるのが基本です。
ゴキブリの卵は「卵鞘」というケースに入っている
形と大きさ
川崎市の資料では、ゴキブリの卵鞘は固い袋のような形で、口金のついた「がまぐち」に似ているとされています。名古屋市の案内では、クロゴキブリの卵鞘の長さは約1cmです。
1つの卵鞘に入っている卵の数
1つの卵鞘には、たくさんの卵がまとめて入っています。数は資料によって少しちがいます。
| 種類 | 川崎市の資料 | 大阪市の資料 |
|---|---|---|
| クロゴキブリ | 22〜28個 | 22〜28個 |
| チャバネゴキブリ | 18〜50個 | 18〜44個 |
| ヤマトゴキブリ | 14〜19個 | ― |
名古屋市の案内では、チャバネゴキブリの卵鞘には約40個の卵が入っているとされています。愛知県知多保健所の案内では、1つの卵鞘から約30匹前後の幼虫がかえるとされています。
卵鞘が見つかりやすい場所
大阪市の資料では、卵鞘は引き出しの裏側、カーテンなどの物陰、すき間、くぼみに産みつけられるとされています。名古屋市の案内でも、クロゴキブリの卵鞘は物陰や戸棚の隅などの潜み場所に産みつけられるとあります。
種類によって産み方がちがう
クロゴキブリは物陰に貼りつける
千葉市の案内では、クロゴキブリのメスは卵鞘を物陰に唾液で貼りつけます。夏場は3〜5日ごとに次の卵鞘を産むとされ、生涯の産卵回数は20〜30回です。卵がかえるまでの期間は、千葉市の案内では約40日、名古屋市の案内では約50日とされています。
チャバネゴキブリはメスがお腹につけて歩く
千葉市の案内では、チャバネゴキブリのメスは卵鞘をお腹に抱えたまま歩き回るとされています。名古屋市の案内でも、幼虫がかえる直前まで卵鞘をお腹の先につけているとあります。生涯の産卵回数は、千葉市の案内では5〜7回です。
お腹の先に袋のようなものをつけて歩いているチャバネゴキブリは、卵を持ったメスということになります。チャバネゴキブリの特徴は「チャバネゴキブリ」で紹介しています。
卵をそのままにしておくと
卵鞘をそのままにしておくと、中から幼虫がまとめて生まれてきます。千葉市の案内では、チャバネゴキブリは成長が速く、増える力が強いとされています。卵鞘から成虫までの期間は、チャバネゴキブリで2.5〜3か月、クロゴキブリで1年以上です。
名古屋市の案内では、ゴキブリは感染症の菌や食中毒の菌を運ぶほか、食品などをかじる害があるとされています。
ゴキブリの卵には殺虫剤が効かない
帝京短期大学に掲載された大森南三郎氏の論文では、どの種類のゴキブリでも、卵鞘は殺虫剤の散布や塗布の影響を受けないとされています。親のゴキブリを殺虫剤で退治しても、卵鞘からは新しい幼虫が生まれてくるということです。
このため、新潟市保健所の資料では、くん煙タイプの殺虫剤は、卵がかえる約1か月後にもう一度使うと効果的とされています。
卵を見つけたときにすること
見つけた卵鞘を取り除く
見つけた卵鞘は取り除きます。直接さわらないよう手袋をする、作業のあとは手を洗う、といった一般的な衛生上の注意を守ると安心です。
まわりにほかの卵鞘やゴキブリがいないか見る
卵鞘は潜み場所に産みつけられるため、近くにほかの卵鞘やゴキブリがいることがあります。厚生労働省の建物向けマニュアルでも、照明を使って、虫の体、フン、卵鞘があるかを確かめる調査が示されています。フンの見分け方は「ゴキブリのフンを見つけたら」をご覧ください。
あとから生まれる幼虫に備える
卵には殺虫剤が効かないので、生まれてきた幼虫を退治する対策を続けます。自治体の案内では、次のような方法が紹介されています。
- 毒エサ(ベイト剤):千葉市の案内では、ゴキブリの通り道に置き、数か所に仕掛けると効果的とされています
- 残留処理:千葉市の案内では、通り道や潜み場所に薬剤を塗る方法で、効果は約1か月とされています
- くん煙剤:新潟市保健所の資料では、卵がかえる約1か月後にもう一度使うと効果的とされています
- 粘着シート:名古屋市の案内では、捕まえるだけでなく、ゴキブリがいるかどうかの確認にも使えるとされています
新潟市保健所の資料では、これらの方法は組み合わせると効果的とされています。薬剤は用法・用量を守り、子どもの手の届かない所に保管するよう、名古屋市は呼びかけています。
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卵を産ませないための予防
千葉市の案内では、ゴキブリがすむ条件は「エサ」「通路」「巣を作る場所」の3つで、長い目で見ると環境を整えるのが最も効果的とされています。
- 生ゴミや食べ残しはふた付きの容器に入れ、食材は密封容器で保管する
- すき間や穴をふさぎ、家具と壁・床の間にすき間を作らない
- 台所の整理整頓と掃除を心がける
- 台所や洗面所の水をよくふき取る(埼玉県の案内)
姫路市とその周辺にお住まいの方へ
バグディフェンスでは、姫路市とその周辺で、ゴキブリの駆除に対応しています。くわしくは「姫路市のゴキブリ駆除」をご覧ください。家の中でよく見かける大型の種類は「クロゴキブリ」で紹介しています。
まとめ|ゴキブリの卵は「取り除く」+「あとから生まれる幼虫に備える」
- ゴキブリの卵は「卵鞘」という硬いケースに入っていて、1つに十数個〜数十個の卵が入っている
- クロゴキブリは物陰に卵鞘を貼りつけ、チャバネゴキブリはメスがお腹につけて歩く
- 卵鞘は殺虫剤の影響を受けないとされるため、見つけたら取り除く
- 毒エサや、約1か月後のくん煙剤などで、あとから生まれる幼虫に備える
- エサ・水・すき間を減らして、すみにくい環境を作る
