飲食店でゴキブリを見つけたら|食品衛生法の基準とHACCPに沿った対策・記録

飲食店でゴキブリを見つけたら|食品衛生法の基準とHACCPに沿った対策・記録

営業中や仕込みの最中に、厨房でゴキブリを見かけた。お客さんの目にふれたら、保健所の立ち入りで指摘されたら、と心配になるオーナーや店長の方も多いと思います。この記事では、飲食店でゴキブリを見つけたときにすることを、食品衛生法の基準とHACCPの手引書をもとにまとめました。

先に結論を書くと、飲食店には、ねずみや昆虫の侵入を防ぎ、定期的に駆除や調査を行い、その記録を1年間保存することが求められています。見つけたときは、発生した日と場所を記録し、トラップでの点検を強め、必要に応じて早めに専門業者に相談するのが基本です。

目次

飲食店に求められている「ねずみ及び昆虫対策」

食品衛生法施行規則 別表第17の基準

HACCPに沿った衛生管理の制度化にともない、食品衛生法施行規則の別表第17に、一般的な衛生管理の基準として「ねずみ及び昆虫対策」が定められています。厚生労働省の資料に掲載された抜粋では、主な内容は次のとおりです。

  • 施設とそのまわりを適切に管理し、ねずみや昆虫の繁殖場所をなくす。窓、ドア、吸排気口の網戸、トラップ、排水溝のふたなどで、施設内への侵入を防ぐ
  • 1年に2回以上、ねずみ及び昆虫の駆除作業を行い、その実施記録を1年間保存する。ただし、発生場所・生息場所・侵入経路・被害の状況を定期に統一的に調査し、その結果に基づいて必要な措置をとる方法であれば、施設の状況に応じた方法と頻度で行うことができる
  • 殺そ剤や殺虫剤を使うときは、食品や添加物を汚染しないよう取り扱いに十分注意する
  • 原材料、製品、包装資材などは容器に入れ、床や壁から離して保存する。一度開けたものはふた付きの容器に入れるなどして保存する

大津市保健所も、事業者向けの案内で同じ内容を呼びかけています。

HACCPの手引書にある頻度と記録

厚生労働省が掲載している小規模な惣菜製造工場向けの手引書では、ねずみや昆虫について、月に1回以上発生状況を点検し、半年に1回以上駆除を行う必要があるとされています。専門業者の報告書などは、駆除の記録として1年間保管します。

同じ手引書では、点検のとき以外でもねずみや昆虫を見かけた場合は、専門業者への相談など、早めに対応することが重要とされています。業種によって手引書は異なるため、自分の店の業種の手引書もあわせて確認してください。

飲食店に多いのはチャバネゴキブリ

大阪市の資料では、チャバネゴキブリは飲食店やビルなど、大量の食べ物を調理する場所に多く発生するとされています。名古屋市や新潟市保健所の資料でも、チャバネゴキブリは飲食店やビル、ホテルなどに多いとされています。

埼玉県の案内では、チャバネゴキブリは寒さに弱く、一年中暖かくエサと水のある屋内にすむとされています。千葉市の案内では、成長が速く増える力が強いとされています。また埼玉県の案内では、殺虫剤が効きにくくなる「抵抗性」や、毒エサを避ける行動が報告されているとされています。特徴は生態図鑑の「チャバネゴキブリ」で紹介しています。

厨房でゴキブリを見つけたときにすること

発生した日と場所を記録する

東京都の衛生管理マニュアルの記載例では、発生を確認したときは、発生日と場所を記録するとされています。駆除を行ったときは、実施日、方法、結果、実施者を記録し、1年間保存します。

潜み場所を確認する

厚生労働省の建物向けマニュアルでは、照明を使って、虫の体、フン、「ローチスポット」、卵鞘があるかを目で確かめる調査が示されています。確認する場所として、ガスレンジ、調理台、流し台、冷蔵庫・冷凍庫のまわり、壁のすき間、食器棚などが挙げられています。フンや卵の見分け方は「ゴキブリのフンを見つけたら」「ゴキブリの卵を見つけたら」をご覧ください。

トラップでの点検を強める

東京都の記載例では、ゴキブリ用のトラップを冷蔵庫の下、調理台のすき間、原材料倉庫に置き、調理場は毎日、倉庫は週に1回確認するとされています。

厚生労働省の建物向けマニュアルでは、粘着トラップ(約8cm×20cm)を、厨房など発生しやすい場所では約5㎡に1枚の目安で3〜7日間置き、1日1トラップあたりの捕獲数を「ゴキブリ指数」として計算します。指数が1以上、または生きたゴキブリがかなり見られる状態は「措置水準」とされています。

駆除と、効果の確認

厚生労働省の建物向けマニュアルでは、まず清掃などの環境対策を行い、毒エサ(ベイト剤)は少しずつ各所に置いて、数日ごとに残りを確認するとされています。効果が足りない場合は、毒エサの食べ具合や抵抗性を調べ、薬剤の変更を検討するとされています。

専門業者に頼む場合

厚生労働省のHACCPに関するQ&Aでは、防除を外部に頼む場合、「建築物ねずみ昆虫等防除業」の登録を受けた事業者など、必要な専門知識を持つ適切な事業者を選ぶこととされています。東京都の記載例では、ゴキブリの駆除を半年に1回専門業者に頼むという例が示されています。

ゴキブリを増やさない厨房の環境づくり

厚生労働省の建物向けマニュアルでは、環境対策として次のような例が挙げられています。

  • 野菜などは冷蔵したり密閉したりして保管する
  • 生ゴミを始末し、営業後に厨房の床を掃除する
  • 排水溝やグリストラップを掃除し、ゴミ箱を洗う

東京都の記載例でも、隠れ場所、エサになる食品、汚れや湿気を取り除き、発生しない環境を保つことが目的として示されています。

姫路市とその周辺にお住まいの方へ

バグディフェンスでは、姫路市とその周辺で、飲食店などのゴキブリの駆除に対応しています。くわしくは「姫路市のゴキブリ駆除」をご覧ください。

まとめ|飲食店のゴキブリ対策は「防ぐ・点検する・記録する」

  • 食品衛生法施行規則の別表第17で、侵入防止、年2回以上の駆除(または定期的な調査に基づく対応)、記録の1年間保存が求められている
  • 飲食店に多いのはチャバネゴキブリで、抵抗性や毒エサを避ける行動も報告されている
  • 見つけたら発生日と場所を記録し、トラップでの点検を強める
  • 点検のとき以外に見かけたときは、早めに専門業者に相談する
  • 生ゴミ、床、排水溝、グリストラップの清掃で、すみにくい環境を作る

参考にした資料

author avatar
政綱 純
バグディフェンス代表。政綱 純(まさつな まこと)。姫路市を拠点に、害虫・害獣の駆除と予防施工を行っています。不動産業界で7年間、賃貸・売買・管理・リフォーム・空き家再生に携わり、建物の構造や入退去検査・原状回復の現場を見てきました。宅地建物取引士・2級FP技能士。認定NPO法人 空き家相談センター 相談員。駆除で終わらせず、侵入経路と再発防止まで建物の側から考えることを大切にしています。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次