冬の公園や園庭で、桜の木の幹に、赤と黒の模様の虫がびっしり集まっている。見た目が派手なので、毒があるのではないかと心配になる方も多いはずです。その虫はおそらくヨコヅナサシガメの幼虫です。この記事では、ヨコヅナサシガメの見分け方と危険性、刺されたときの対処、子どもが遊ぶ場所での対策をまとめました。
ヨコヅナサシガメとは
ヨコヅナサシガメは、カメムシの仲間で、ほかの虫を捕まえて食べる肉食の虫です。岡山市の案内によると、中国やインドが原産の外来生物で、ゾウの鼻のような口(口吻)を持っています。この口を獲物に刺して体液を吸います。
見分け方
- 色:黒っぽい体で、背中の一部とお腹が赤い。羽化した直後の成虫は全身が赤く、時間がたつと黒っぽくなる(岡山市)
- 形:体は細長く、足は6本
- 大きさ:岡山市の案内では、幼虫の体長(足を含まない)はおよそ16〜24mm
- いる場所:冬、サクラなどの木の幹に幼虫が集団で固まっている
赤と黒の配色から、セアカゴケグモと間違われることがあります。岡山市は「セアカゴケグモとよく間違われる生きもの」としてヨコヅナサシガメを紹介しています。見分けるポイントは足の数で、クモのセアカゴケグモは8本、ヨコヅナサシガメは6本です。
なぜ桜の木に集まるのか
ヨコヅナサシガメは、幼虫の姿で冬を越します。神奈川県立生命の星・地球博物館の報告では、冬にサクラ類の古木の幹に幼虫が集団で見られる習性があるとされています。九州大学の研究では、幼虫が集まって越冬する場所は、木の幹の東側や南側にある小さなくぼみやしわで、地上2〜3mあたりとされています。サクラのほか、エノキ、クスノキ、カキなども挙げられています。
春になると幼虫は木から散らばってえさを探し、成虫になります。神奈川県の報告では、成虫の記録は4月末から7月にかけてのものが中心で、5月初めにはサクラの幹で羽化したばかりの成虫が多数見つかっています。
つまり、冬に桜の幹で固まっているのは、春を待っている幼虫です。
危険性:毒はないが、刺されるとかなり痛い
大阪市立自然史博物館の質問コーナーでは、ヨコヅナサシガメについて次のように回答しています。
- 口吻で人を刺すことがある。多くは、捕まえられたときに逃げるための反撃で刺す
- 刺された人はかなり痛みを感じる
- 日本のサシガメに刺されて病気になったという例は聞いたことがない
自分から人を襲う虫ではありませんが、素手で触ったり、つかんだりすると刺されることがあります。
子どもが遊ぶ場所では注意が必要
バグディフェンスにも、幼稚園から「園庭の桜の木の下にヨコヅナサシガメがいて、園児が刺されないか心配だ」という相談がありました。
子どもは、珍しい色の虫を見つけると手でつかもうとします。桜の木の下は、園庭や公園で子どもがよく集まる場所でもあります。幹に幼虫が固まっているのを見つけたら、「赤と黒の虫は触らない」と子どもに伝え、木のまわりで遊ぶときは大人が目を配ってください。
刺されたときの対処
大阪市立自然史博物館の回答では、刺されたときの対処を次のように案内しています。
- すぐにきれいな水で傷口を洗う
- 抗ヒスタミン剤を塗る
- 腫れた場合は冷やす
- 症状がひどいときは病院に行く。とくにアレルギー体質の人は、すぐに病院に行くほうがよい
子どもが刺された場合や、腫れや痛みが強い場合は、早めに医療機関に相談してください。
駆除したほうがいいか
ヨコヅナサシガメは、ほかの虫を食べる虫なので、庭木の害虫を減らす面もあります。人がほとんど近づかない場所の木なら、無理に駆除しなくてもかまいません。
一方、園庭や公園、家の玄関まわりなど、子どもや人がよく触れる場所の木に集まっている場合は、駆除を考えたほうが安心です。
自分で駆除する場合
- 素手で触らず、軍手ではなく厚手のゴム手袋をつける
- 幹に固まっている幼虫は、殺虫スプレーをかけてから、ほうきやヘラで落として袋に入れる
- 子どもが近くにいない時間に行い、薬剤がかかった場所にしばらく近づかないようにする
- 木の高い所にいる場合は、脚立に乗らず、無理をしない
業者に頼んだほうがいいケース
- 幼稚園・保育園・学校・公園など、子どもが集まる施設の木
- 木が高く、幼虫のいる場所に手が届かない
- 何本もの木に集まっている
- 子どもへの薬剤の影響が心配で、使う薬剤や作業の時間を相談したい
施設の場合は、子どもがいない時間に作業できるか、使う薬剤の種類、作業後に立ち入れるまでの時間を、見積もりの際に確認してください。
姫路市とその周辺の施設・ご家庭の方へ
バグディフェンスでは、姫路市とその周辺で、ご家庭のほか、幼稚園や店舗などの施設の害虫対策にも対応しています。くわしくは「害虫駆除」「飲食店・店舗・施設の方へ」をご覧ください。
よくある質問
Q. 毎年同じ木に集まりますか?
神奈川県の報告では、サクラ類の古木の幹に幼虫が集団で見られる習性があるとされています。条件の合う木には、毎年集まることがあります。冬のうちに幹を確認しておくと、春に散らばる前に対処できます。
桜の木では、夏から秋にかけてイラガの幼虫(トゲのある緑色の毛虫)が葉の裏に発生することもあります。冬は枝や幹にイラガの繭がついていることがあるので、あわせて「イラガの幼虫と繭」も確認してください。
まとめ|赤黒い幼虫は「触らない」が基本
冬に桜の木の幹に固まっている赤と黒の虫は、外来種のヨコヅナサシガメの幼虫です。毒で病気になった例は聞かれませんが、つかむと刺されて強く痛みます。子どもが遊ぶ場所の木に集まっている場合は、触らないよう伝え、必要なら駆除してください。
