フェノトリンとは?シラミ薬にも使われる殺虫成分の安全性と犬猫への影響【駆除業者が解説】

フェノトリンとは?シラミ薬にも使われる殺虫成分の安全性と犬猫への影響【駆除業者が解説】

殺虫剤やシラミ駆除シャンプーの成分表で「フェノトリン」という名前を見て、「これは体に害はないの?」「犬や猫がいる家で使って大丈夫?」「本当に効くの?」と気になって調べている方も多いのではないでしょうか。

フェノトリンは、くん煙剤(いわゆる「焚くタイプ」)や殺虫スプレーに使われる一方で、頭に直接つけるシラミ駆除用の医薬品にも使われている、少し変わった立ち位置の殺虫成分です。そのため「人の頭に使えるくらいだから安全なのでは?」と考える方もいますが、ここには正しく理解しておきたいポイントがあります。

この記事では、害虫駆除を生業とする立場から、フェノトリンの仕組み・安全性・注意点を、メーカーや公的機関の資料で確認できた範囲で、できるだけ正直に解説します。記事の後半では、フェノトリンが配合されている代表的な市販商品も用途別に紹介します。

目次

フェノトリンとは|どんな殺虫成分か

フェノトリンは、除虫菊(シロバナムシヨケギク)に含まれる天然の殺虫成分「ピレトリン」をもとに化学的に作られたピレスロイド系の殺虫成分です。住友化学が合成した化合物で、同社の製品名「スミスリン®」の名前でも知られています。

フェノトリンの承認の歴史と抵抗性アタマジラミの確認

医薬品の審査資料によると、フェノトリンは次のような経緯で使われてきました。

  • 1976年:家庭用殺虫剤(ハエ・カ駆除用)の原薬として製造承認を取得
  • 1981年:ヒトのシラミ駆除用の一般用医薬品(外用薬)として、0.4%製剤のパウダータイプが承認
  • 1998年:同じ濃度(0.4%)のシャンプータイプが承認
  • 2014年:医療用の疥癬(かいせん)治療薬「スミスリンローション5%」が承認

つまりフェノトリンは、家庭用の殺虫剤としても、人に使う医薬品としても、40年以上使われてきた成分です。

主な用途

製品評価技術基盤機構(NITE)の資料では、フェノトリンはエアゾール剤、くん煙剤、乳剤、粉剤、シート剤などに使われる成分として挙げられています。また、家庭用くん煙剤の有効成分は「ペルメトリン、フェノトリン、またはこれらと他剤の混合物が主流」とも紹介されています。

身近な製品で整理すると、おおむね次の2系統です。

  • 害虫用:くん煙剤・霧タイプの全量放出型、空間噴射型エアゾール、ダニ・ノミ用スプレーなど(防除用医薬品・医薬部外品)
  • シラミ用:アタマジラミ・ケジラミ駆除用のシャンプー(一般用医薬品)

なお、医療用医薬品としては疥癬(ヒゼンダニによる皮膚の病気)の治療薬にも使われていますが、こちらは医師の処方による薬なので、本記事では詳しく扱いません。

作用機序|なぜ虫に効くのか

疥癬治療薬のインタビューフォーム(医薬品の詳しい解説資料)では、フェノトリンの作用について「神経細胞のNa+チャネルに作用し、その閉塞を遅らせることにより、反復的な脱分極あるいは神経伝導を遮断することで殺虫作用を示す」と説明されています。

かみくだくと、虫の神経にある「ナトリウムチャネル」という電気信号のスイッチが閉じにくくなり、神経が異常に興奮し続けたり、信号が正常に伝わらなくなったりすることで、虫が動けなくなるという仕組みです。これはピレスロイド系の成分に共通する作用の仕方です。

選択毒性が安全性のカギ

では、人や哺乳類の神経にもナトリウムチャネルがあるのに、なぜ人の頭にも使える医薬品になっているのでしょうか。

医薬品の審査資料では、ピレスロイドに対する感受性の種差(生き物ごとの効き方の違い)は「体温、酵素による解毒能および感受性の違いにより説明される」とされています。人を含む哺乳類は、虫に比べて体温が高く、体内でピレスロイドを分解する能力も高いため、同じ量でも影響を受けにくい、というのが基本的な考え方です。このように「虫には強く、人には影響しにくい」性質を選択毒性と呼びます。

ただし、選択毒性は「量」と「使い方」が前提です。後ほど詳しく説明しますが、「影響しにくい」ことと「何をしても大丈夫」は別の話です。

フェノトリンの特徴|どんな場面で選ばれている成分か

フェノトリンの特徴を、確認できた資料の範囲でまとめると次のとおりです。

  • 使用実績が長い:家庭用殺虫剤として1976年から、シラミ用医薬品として1981年から使われています。医療用医薬品の資料でも、0.4%製剤が「30余年に渡って使用されている」と記載されています。
  • 人に使う医薬品になっている:一般用医薬品(シラミ駆除)と医療用医薬品(疥癬治療)の両方で承認されている、殺虫成分としては珍しい存在です。
  • 空間処理型の製品に多く使われる:くん煙剤や霧タイプ、空間噴射型エアゾールの有効成分として、他の成分と組み合わせて使われることが多い成分です。
  • 日光で分解されやすい:米国の国立農薬情報センター(NPIC)の資料では、主に紫外線で分解され、畑のような条件の土壌では半減期が1〜2日程度とされています。

一方で、フェノトリン単独で「どんな害虫にも強い」というわけではありません。市販のくん煙剤では、フェノトリンにメトキサジアゾン(オキサジアゾール系)やd・d-T-シフェノトリンといった別の成分を組み合わせている製品が見られます。複数の成分を組み合わせるのは、効き方の幅を広げるための一般的な設計です。

「人の体に使える=安全」なのか?

フェノトリンについて一番多い疑問が、これだと思います。結論から言うと、「医薬品として、決められた製品を、決められた使い方で使う場合は、安全性が確認されている」というのが正確な言い方です。「フェノトリンが入っている製品なら何でも体に使ってよい」という意味ではありません。

同じフェノトリン配合でも製品ごとに使い方が違う

シラミ用シャンプーは「医薬品として」承認されている

シラミ駆除用のシャンプーは、第2類医薬品として国の承認を受けた製品です。フェノトリンの濃度(0.4%=1mL中4mg)、1回の使用量(頭髪で10〜20mL程度)、放置時間(5分)、回数(3日に1度、3〜4回)まで細かく決められています。安全性はこの条件のもとで確認されたものです。

実際、添付文書には「頭皮に湿疹、かぶれ、ただれ等の症状がある場合は使用しない」「内服しない」「シラミ駆除以外の目的(通常の洗髪など)で使わない」「目・耳・鼻に入らないようにする」といった注意がきちんと書かれています。安全性の高い医薬品であっても、ルールを守って使うことが前提です。

同じフェノトリンでも「人体に使用しないこと」と書かれた製品がある

わかりやすい例が、アース製薬の「アース シラミ・ダニ退治スプレー」です。この製品はフェノトリンを有効成分とする防除用医薬部外品ですが、使用上の注意には「人体に使用しないこと」「人に向かって噴射しない。また、噴射液を吸入しない」と明記されています。

商品名に「シラミ」と入っていても、これは畳やカーペット、寝具などに噴霧する製品で、人の頭に使うものではありません。同じ成分でも、濃度・溶剤・剤形・用途が違えば、まったく別の製品です。くん煙剤や殺虫スプレーを「シラミ薬と同じ成分だから」と人や動物の体に使うのは避けてください。

経皮吸収はわずかでも「ゼロ」ではない

医療用医薬品の資料では、皮膚に24時間塗布したときの吸収量は約2.0%と示されています。吸収されたフェノトリンは体内で代謝され、血液中では主に代謝物の形で存在することも報告されています。吸収は少ないものの、全くないわけではないため、用法・用量を超えた使い方はしないことが大切です。

抵抗性シラミ|「シラミ薬が効かない」ことはある?

シラミ駆除シャンプーを正しく使っているのに、なかなかシラミがいなくならない――。その場合、薬が効きにくいピレスロイド抵抗性のアタマジラミの可能性があります。

国立感染症研究所(現・国立健康危機管理研究機構)の病原微生物検出情報(IASR、2025年12月号)によると、国内では2001年に初めてピレスロイド抵抗性のアタマジラミが確認され、沖縄県で採集されたアタマジラミの96%がピレスロイド抵抗性を示したとされています。

また、大日本除虫菊(KINCHO)が2018年に公表した資料では、国立感染症研究所の調査(2006〜2011年)として、沖縄県の抵抗性コロニー率が96%、沖縄県を除く地域では5%と紹介されています。地域によって状況に大きな差があるということです。

皮膚科の学会誌に掲載された琉球大学の論文(2017年)でも、国内で認可されているアタマジラミ駆除薬はフェノトリン0.4%配合の市販薬のみであったこと、欧米と同様に沖縄県でもピレスロイドが効かないアタマジラミが広がっていることが報告されています。

抵抗性シラミへの選択肢

  • 改良型のフェノトリン製剤:KINCHOの「スミスリンシャンプー プレミアム」は、添加剤を改良して虫体への展着性を高め、抵抗性アタマジラミの駆除を可能にしたとメーカーが説明している製品です(有効成分は同じくフェノトリン0.4%)。
  • フェノトリン以外の製剤:上記のIASRでは、2021年に4%ジメチコン製剤が医薬部外品として承認・上市されたことが紹介されています。ジメチコンはピレスロイドとは別の仕組みの製剤です。
  • すき取り:添付文書にもあるとおり、フェノトリンのシャンプーでは卵は除去できないため、専用のくしで卵をすき取ることが必要です。

決められた回数(3〜4回)使っても改善しない場合は、添付文書でも医師・薬剤師などへの相談が求められています。自己判断で回数や量を増やすのはやめましょう。

ちなみに、ピレスロイド抵抗性はシラミだけの問題ではありません。同じIASRでは、トコジラミ(南京虫)についても2010年前後に全国各地でピレスロイド抵抗性が確認されたと報告されています。トコジラミについては姫路のトコジラミ駆除のページでも解説しています。

安全性|犬・猫・人体への影響

人体への影響

医療用医薬品の審査資料では、フェノトリンの急性毒性(LD50:半数致死量)として、ラットの経口・経皮でいずれも5,000mg/kg超、マウスの経口で5,000mg/kg超、経皮で2,000mg/kg超という数値が示されています。動物試験の結果ではありますが、急性毒性は低い部類の成分です。

米国のNPICも、フェノトリンを「食べたり、吸い込んだり、皮膚や目についたりした場合の毒性は低い」としています。ただし、皮膚に触れると「ピリピリ感、かゆみ、灼熱感、しびれ」が出ることがあり、通常は48時間以内に治まる、とも書かれています。また、まれに吐き気・嘔吐・喉の刺激・頭痛・めまいなどが起こり得るとされています。

シラミ用シャンプーの添付文書でも、発疹・発赤、かゆみ、かぶれが出た場合はすぐに使用を中止して相談すること、誤って飲み込んだり目に入ったりした場合はすぐに医療機関を受診することが求められています。

くん煙剤や霧タイプを使う場合は、製品表示に従って部屋の外に出て閉め切り、所定時間が経ったら十分に換気してから入室してください。例えばレックの「水ではじめるバルサンプロEX」では、煙が出たら部屋の外に出て「2~3時間またはそれ以上」閉め切るよう記載されています。

犬・猫・ペットへの影響

ペットの中でも、特に注意したいのが猫です。NPICは、フェノトリンについて「猫は特にこの成分に敏感な可能性がある」とし、さらされた場合には嘔吐、下痢、よだれ、けいれん、ふるえ、発作などが起こり得るとしています。

実際に米国では、フェノトリンとs-メトプレンを含む猫・子猫用のノミ・マダニ用スポットオン製品(Hartz社)について、2005年に米国環境保護庁(EPA)が安全性への懸念を示し、メーカーが販売を段階的に終了しています。EPAの発表では、脱毛、よだれ、ふるえ、多数の死亡例などの有害反応との関連が指摘されていました。これは猫の皮膚に直接つける製品での話ですが、「猫にはピレスロイドを直接使わない」という意識は持っておいたほうがよいでしょう。

日本の市販品でも、くん煙剤・霧タイプでは「ペット類や観賞魚、植物などは部屋の外に出す」ことが、メーカーの使用上の注意として明記されています(バルサンプロEXシリーズ)。一方、KINCHOの空間噴射型エアゾール「ゴキブリムエンダー」は、メーカーが「お子様・犬猫のいるご家庭でも」使えると説明し、噴射30分以降は入室できるとしています。ただし、同製品でも観賞魚などの水槽のある部屋では使用しないよう注意書きがあります。

つまり、犬猫への配慮は製品ごとに違うということです。成分名だけで判断せず、必ずその製品の使用上の注意を確認してください。

観賞魚・水生生物・ハチには特に注意

NPICによると、フェノトリンは鳥類にはほとんど毒性がない一方で、魚類やその他の水生生物には非常に強い毒性があり、ミツバチにも強い毒性があるとされています。

そのため、くん煙剤や空間噴射型の製品では、観賞魚の水槽がある部屋での使用を避けるか、水槽を部屋の外に出すことが各メーカーの表示で求められています。水槽を移動できない場合は、その部屋では使わないのが安全です。また、残った薬液を池や川、排水溝に流さないようにしましょう。

他成分との違い

フェノトリン vs フィプロニル

フェノトリンは虫の神経のナトリウムチャネルに作用するピレスロイド系、フィプロニルはフェニルピラゾール系で、作用する場所が異なります。フェノトリンが主にくん煙剤やスプレーなど「空間・表面に処理して、薬剤に触れた虫を退治する」製品に使われるのに対し、フィプロニルはゴキブリやアリのベイト剤(毒エサ)など「食べさせて巣ごと退治する」製品に多く使われています。フィプロニルについてはフィプロニルの解説記事で詳しく紹介しています。

フェノトリン vs シフェノトリン(d・d-T-シフェノトリン)

名前がよく似ていますが、シフェノトリンはフェノトリンとは別の成分です。どちらもピレスロイド系で、市販のくん煙剤(バルサンプロEXシリーズなど)では両方が一緒に配合されていることがあります。成分表で両方の名前を見かけても、同じ成分が二重に書かれているわけではありません。

フェノトリン vs ペルメトリン

どちらも家庭用くん煙剤によく使われるピレスロイド系成分です(NITE資料)。同じピレスロイド系どうしは作用の仕方が共通しているため、ピレスロイド抵抗性を持つ虫には、どちらも効きにくくなる可能性があります。抵抗性が疑われる場合は、別の系統の成分を含む製品や、プロによる施工を検討するのが一つの考え方です。

ピレスロイド系という分類について

ピレスロイド系は、除虫菊の天然成分ピレトリンをもとに改良された殺虫成分のグループで、家庭用殺虫剤の多くに使われています。フェノトリンもその一つで、「虫の神経のナトリウムチャネルに作用する」「哺乳類には影響しにくいが、魚類や水生生物には強く作用する」という、グループに共通する性質を持っています。

ピレスロイド系全般の特徴や、ほかの成分との使い分けについては、ピレスロイド系の解説記事でまとめています。

環境・規制の話

日本では、家庭で使う殺虫剤のうち、ゴキブリ・ダニ・ノミ・蚊などの衛生害虫を対象とするものや、人に使うシラミ駆除薬は、医薬品医療機器等法(薬機法)のもとで医薬品または医薬部外品として扱われます。本記事で紹介する製品でも、シラミ用シャンプーやくん煙剤は「第2類医薬品」、空間噴射型エアゾールやダニ用スプレーは「防除用医薬部外品」と表示されています。

環境中では、フェノトリンは主に日光(紫外線)で分解され、土壌に強く吸着するため地下水を汚染する可能性は低いとされています(NPIC)。一方で、先に述べたように水生生物への毒性は強いため、水辺や排水への流出には注意が必要です。

海外では、米国でフェノトリンを含む猫用スポットオン製品が2005年に段階的に販売終了となった経緯があります(前述)。

フェノトリンが配合された代表的な市販商品

ここでは、メーカー公式サイトや添付文書でフェノトリンの配合を確認できた商品のみを紹介します。同じブランドでも品番によって成分が異なることがあるため、購入時は必ずパッケージの成分表示を確認してください。

害虫用(くん煙剤・霧タイプ・エアゾール)

バルサンプロEX(レック)

煙タイプのくん煙剤(第2類医薬品)。有効成分はメトキサジアゾン、フェノトリン、d・d-T-シフェノトリンの3種類。ゴキブリ、イエダニ、ノミ、トコジラミ、屋内塵性ダニ類などが対象です。使用時は火災警報器を袋などで覆う必要があります。

水ではじめるバルサンプロEX(レック)

水を使って始動するタイプのくん煙剤(第2類医薬品)。有効成分は上記と同じ3成分。煙が出たら部屋の外に出て、2〜3時間以上閉め切って使います。

バルサンプロEX ノンスモーク霧タイプ(レック)

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煙ではなく霧で薬剤を広げるタイプ(第2類医薬品)。有効成分は上記と同じ3成分。メーカーは、煙も熱も出さないため煙感知型・熱感知型の火災警報器のどちらにも反応しないと説明しています(ペット・観賞魚は部屋の外に出す必要があります)。

ゴキブリムエンダー(KINCHO)

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1プッシュで部屋に薬剤を広げる空間噴射型エアゾール(防除用医薬部外品)。有効成分はフェノトリンとメトフルトリン(ピレスロイド)。6畳あたり4プッシュが目安で、メーカーは2週間に1度の処理を推奨しています。煙が出ないため火災報知器のカバーは不要とされていますが、水槽のある部屋では使用不可です。

アース シラミ・ダニ退治スプレー(アース製薬)

畳やカーペット、寝具などに噴霧するスプレー(防除用医薬部外品、製品名:ダニアースPs(f))。有効成分はフェノトリン0.666w/v%。屋内塵性ダニ類、イエダニ、ノミ、シラミが対象です。人体には使用できません。

ダニやノミの対策全般については姫路のダニ・ノミ駆除のページ、ゴキブリの種類と生態はチャバネゴキブリの図鑑も参考にしてください。

シラミ用(シラミ駆除シャンプー)

スミスリンLシャンプータイプ(KINCHO)

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アタマジラミ・ケジラミ駆除用のシャンプー(第2類医薬品)。フェノトリン4mg/mL(0.4%)。泡立てて5分置いて洗い流し、3日ごとに3〜4回繰り返します。卵は付属のくしですき取ります。

スミスリンシャンプー プレミアム(KINCHO)

フェノトリン4mg/mL(0.4%)を配合したシラミ駆除用シャンプー(第2類医薬品)。添加剤の改良で虫体への展着性を高め、抵抗性アタマジラミの駆除を可能にしたとメーカーが説明しています。

アース シラミとりシャンプーα(アース製薬)

フェノトリン0.4%配合のシラミ駆除用シャンプー(第2類医薬品)。使い方はほかのシャンプータイプと同様で、5分放置後に洗い流し、3日に1度、3〜4回繰り返します。

市販品で効かないときはプロの施工も選択肢

くん煙剤や殺虫スプレーは手軽な一方で、薬剤が届きにくい隙間や家具の裏、壁の内部に潜んでいる虫には十分に作用しないことがあります。また、トコジラミのようにピレスロイド抵抗性が確認されている害虫では、市販のピレスロイド系製品だけでは駆除しきれないケースもあります。

害虫駆除業者は、害虫の種類や発生状況を調査したうえで、一般には流通していない業務用の薬剤も含めて、作用の異なる成分を使い分けながら施工します。くん煙剤を何度使っても再発する、ペットや小さな子どもがいて薬剤の使い方に不安がある、という場合は、プロに相談するのも一つの方法です。

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よくある質問

Q. フェノトリンは人体に害はありますか?

A. 動物試験での急性毒性は低く、シラミ駆除用の医薬品としても承認されている成分です。ただし、それは決められた製品を決められた使い方で使った場合の話です。皮膚にピリピリ感やかゆみが出ることもあり、くん煙剤やスプレーは人体に使う製品ではありません。各製品の使用上の注意に従ってください。

Q. フェノトリン入りのくん煙剤は犬や猫がいても使えますか?

A. 使えますが、くん煙剤・霧タイプでは、ペット類を部屋の外に出すことがメーカーの使用上の注意で求められています。特に猫はピレスロイドに敏感な可能性があるとされているため、使用後は十分に換気してから部屋に戻してください。

Q. 金魚やメダカの水槽がある部屋で使っても大丈夫ですか?

A. 避けてください。フェノトリンは魚類や水生生物に対して非常に強い毒性があるとされています。くん煙剤では水槽を部屋の外に出すこと、空間噴射型エアゾールでは水槽のある部屋で使用しないことが、メーカーの表示で求められています。

Q. シラミ用のシャンプーを使ってもシラミがいなくなりません。

A. ピレスロイドが効きにくい抵抗性のアタマジラミの可能性があります。国内では特に沖縄県で抵抗性の割合が高いと報告されています。3〜4回使っても改善しない場合は、医師や薬剤師に相談してください。抵抗性シラミに対応するとしている製品や、フェノトリン以外の成分の製品もあります。

Q. 殺虫スプレーをシラミ対策で子どもの頭に使ってもいいですか?

A. 使わないでください。同じフェノトリンが入っていても、ダニ・ノミ用スプレーなどは「人体に使用しないこと」と表示されている製品です。頭に使えるのは、シラミ駆除用として承認された医薬品のシャンプーなどに限られます。

Q. 「スミスリン」と「フェノトリン」は同じものですか?

A. スミスリン®は住友化学のフェノトリンの製品名で、一般名がフェノトリンです。KINCHOのシラミ駆除薬「スミスリン」シリーズの商品名にも使われています。

まとめ

  • フェノトリンは住友化学が合成したピレスロイド系の殺虫成分で、家庭用殺虫剤として1976年から、シラミ駆除用医薬品として1981年から使われています。
  • 虫の神経のナトリウムチャネルに作用して殺虫効果を示し、哺乳類は体温や解毒能の違いから影響を受けにくいとされています。
  • 「人の頭に使える」のは、承認されたシラミ駆除用の医薬品を決められた方法で使う場合に限られます。くん煙剤やスプレーを人や動物の体に使うのは避けてください。
  • 国内ではピレスロイド抵抗性のアタマジラミが確認されており、特に沖縄県で割合が高いと報告されています。
  • 猫は敏感な可能性があり、魚類・水生生物には非常に強い毒性があります。ペット・観賞魚の扱いは、製品ごとの使用上の注意に従ってください。

成分の性質を知っておくと、製品選びや使い方の不安がかなり減ります。市販品で対処しきれない場合は、無理をせず専門業者への相談も検討してみてください。

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政綱 純
バグディフェンス代表。政綱 純(まさつな まこと)。姫路市を拠点に、害虫・害獣の駆除と予防施工を行っています。不動産業界で7年間、賃貸・売買・管理・リフォーム・空き家再生に携わり、建物の構造や入退去検査・原状回復の現場を見てきました。宅地建物取引士・2級FP技能士。認定NPO法人 空き家相談センター 相談員。駆除で終わらせず、侵入経路と再発防止まで建物の側から考えることを大切にしています。
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