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アブラコウモリの生態と家に出る理由|侵入経路・被害・予防まで解説

夜間に屋根裏から聞こえる音、天井のシミ、不快な臭い。これらはアブラコウモリが家に住み着いた証拠です。

で家屋に侵入するコウモリのほぼ全てがアブラコウモリで、わずか2cm程度の隙間から侵入します。

本記事では生態を客観的に解説します。

目次

アブラコウモリとは?大きさ・寿命・分布の基本情報

項目内容
名称アブラコウモリ(油蝙蝠)、イエコウモリ
分類哺乳綱 翼手目 ヒナコウモリ科
分布日本全国(北海道から沖縄まで)
活動時期ほぼ通年(冬眠期間あり)。春から秋が活動ピーク
活動時間帯夜行性。夜間に活動し、日中は屋根裏などで休息
体長4~6cm
体重約7~12g
寿命野生下で約10~20年

アブラコウモリの生態|食性・繁殖・特徴

アブラコウモリは肉食性で、蚊、ユスリカ、ヨコバイなどの小型昆虫を食べます。夜間に飛び回りながら採食し、1晩に数千の昆虫を捕食することもあります。

繁殖は初夏で、妊娠約40~50日後に1~3頭の子を産みます。

子は約4週間で飛行能力を獲得し、秋には親と同程度の大きさになります。

最大の特徴は、極めて小さいサイズです。体長4~6cm、体重も10g程度で、わずか2cm程度の隙間から侵入できます。

体色は褐色から黒褐色で、体は毛で覆われています。

耳は相対的に大きく、音波反射による超音波定位(エコーロケーション)を利用して飛行と採食を行います。

好むのは、暖かく雨風がしのげる場所で、屋根裏、天井裏、壁の隙間など、人目に付かない暗い場所です。

アブラコウモリが家に出る理由と侵入経路

アブラコウモリが家に侵入するのは、寝ぐら(ねぐら)と出産・子育ての場所を求めてのことです。

特に春から初夏にかけて、出産と子育てのために適切な環境を持つ建物への侵入が増えます。

また、冬眠前の秋にも、暖かい越冬地を求めて侵入することがあります。

侵入経路は、屋根のわずかな隙間、軒下、換気口、エアコン室外機の隙間、外壁の隙間など、極めて小さな開口部を利用します。

一度侵入すると、屋根裏や天井裏に留まり、複数の個体が集団で生活することもあります。

侵入後は、その場所を継続的に利用するため、毎年同じ季節に侵入することが多いです。

アブラコウモリによる被害・影響|衛生と建物

人間生活への影響としては、まず衛生面での問題が挙げられます。

アブラコウモリの糞や尿には、ダニが付着しており、これらが夜間に室内に侵入して人を刺すことがあります。

刺された部位は数日後に腫れやかゆみが生じます。

また、糞には病原菌が含まれる可能性があり、接触による感染のリスクがあります。

建物への影響としては、糞尿による汚染が主な問題です。天井板や外壁にシミが生じ、悪臭が発生します。

長期間の放置により、構造体の腐食が進む可能性もあります。

また、複数の個体が集団で生活する場合、騒音(鳴き声や移動音)が生じることもあります。

法的には、コウモリは鳥獣保護管理法で保護されているため、捕獲や殺処分は禁止されており、追い出すことのみが合法的な対策です。

アブラコウモリがいるサイン|被害痕と活動の手がかり

見つけやすいのは、天井や壁のシミ、悪臭、夜間の鳴き声や飛行音です。

屋根裏や天井裏から夜間に「キーキー」という鳴き声が聞こえる場合、アブラコウモリが生活している可能性が高いです。

また、軒下や窓の近くで夜間に小さなコウモリが飛んでいるのを見かけることもあります。

前兆としては、春から初夏にかけて活動が活発になることが重要です。

この時期に屋根裏から音がするようになったり、外壁から出入りする小さな物影が見えるようになったら、侵入が進行しているサインです。

また、秋から冬にかけても越冬を目的とした侵入が増えます。

早期発見と対応が、被害の拡大を防ぐために重要です。

アブラコウモリの対策と予防|侵入防止が最重要

基本は「侵入させない」です。わずか2cm程度の隙間からも侵入するため、徹底的な隙間塞ぎが必須です。

屋根のわずかな隙間、軒下、換気口、エアコン配管の導入部、外壁のひび割れなど、全てを塞ぐ必要があります。

金属メッシュやパテ、コーキング材を使用して、隙間を完全にふさぐことが有効です。

既に侵入している場合は、専門業者による追い出し作業が推奨されます。

忌避剤や超音波装置を使用して追い出し、その後侵入経路を完全にふさぐという対策が有効です。

法的には捕獲や殺処分ができないため、追い出しと予防に徹することが重要です。

建物の側面で対策をする場合、屋根や軒下の定期的な点検も有効です。

破損個所を早期に発見し、修復することで、侵入経路を減らすことができます。

アブラコウモリの豆知識|野生動物との共存

アブラコウモリは、自然界では蚊などの昆虫を大量に食べる益虫です。

一晩に数千の蚊を捕食するため、医学的な害虫対策に貢献しています。

つまり、屋外での活動は人間にとって有益ですが、建物内への侵入は避けるべき、という関係性といえます。

よくある誤解として、「コウモリは吸血動物」と思われることがありますが、日本のアブラコウモリは吸血しません。

また、「コウモリが人に飛びかかることがある」と恐れられることもありますが、基本的には人間を避ける習性があり、攻撃することはありません。

アブラコウモリの生存戦略|都市への適応

アブラコウモリが都市部に適応できた理由は、人間がつくる建物という新しい寝ぐら環境を見つけたことです。

また、都市部には街灯に集まる昆虫が多いため、食料環境も豊富です。

気密性の高い建物による暖かい越冬環境も、個体数の増加に寄与しています。

天敵と生態系での役割

アブラコウモリの天敵は、フクロウなどの猛禽類、ヘビ、トカゲなどです。

自然界では、蚊やユスリカなどの昆虫を捕食することで、物質循環に関わり、生態系のバランスを保つ重要な役割を果たしています。

人間との共適応|建物との関係

アブラコウモリと人間の関係は、かつての自然界での共存から、現在の建物を利用した新しい共存へと変化しています。

人間の視点からは「害獣」と見なされることもありますが、屋外での活動は蚊などの害虫駆除に貢献しており、その価値を認識することも重要です。

建物診断の視点|アブラコウモリからわかる住まいの状態

アブラコウモリの侵入は、建物に微細な隙間が存在することを示す重要な指標です。

わずか2cm程度の隙間でも侵入するため、侵入があるなら、建物の気密性が低い可能性が高いです。

また、春から初夏の侵入が多い場合、その時期に屋根や軒下の破損が生じやすい環境にあることを示唆しています。

アブラコウモリの危険度評価

※個体・環境により変動する相対的な目安です。

項目評価
侵入しやすさ★★★★★(わずか2cm程度の隙間から侵入)
衛生リスク★★★★☆(糞尿による汚染、ダニ刺傷)
建物被害★★★☆☆(糞尿汚染、臭気、長期放置で腐食)
騒音リスク★★★☆☆(複数個体で鳴き声、移動音)
駆除難易度★★★★☆(法的制限、完全な隙間塞ぎが必須)
再侵入リスク★★★★☆(対策が不完全だと毎年侵入)

アブラコウモリとキクガシラコウモリとの見分け方

アブラコウモリは体長4~6cm程度で、褐色から黒褐色の小さなコウモリです。

耳は相対的に小さく、顔はシンプルな形をしています。

キクガシラコウモリは体長7~9cm程度でやや大型で、鼻に特徴的な菊の花のような形をした突起(鼻葉)があり、耳も大きいです。

家屋への侵入事例の大部分はアブラコウモリであり、キクガシラコウモリが侵入することは稀です。

見た目で区別できない場合は、サイズと鼻の形状に注目することが有効です。

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